ホンダ フリードにお乗りの皆さん、または購入を検討されている皆さん、車の車高について考えたことはありますか?
標準の車高から、個性を出すためのカスタムまで、車高は車の見た目だけでなく、乗り心地や走行性能、さらには日常の使い勝手にも大きな影響を与えます。
「もっとスタイリッシュにしたいけど、乗り心地は悪くしたくない」「ファミリーカーだから実用性は重視したいけど、少しは個性を出したい」といった悩みをお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、フリードの標準車高の基本から、ローダウンやリフトアップといった車高変更の目的、具体的な方法、そして車検に通るための注意点まで、フリードの車高に関するあらゆる情報を網羅的に解説します
あなたのフリードライフをより豊かにするためのヒントが、きっと見つかります。
- フリードの標準車高の基本と車高変更の目的
- ローダウンとリフトアップ、それぞれのメリットとデメリット
- ダウンサス、車高調、エアサスによる車高変更方法の比較
- 車高変更後の車検対応や費用、専門業者選びのポイント
フリードの車高の基本を知る:標準からカスタムまで
- フリードの標準車高とその特徴
- 車高を変える目的とは?ローダウンとリフトアップの基本
- ローダウンのメリット・デメリットと適したケース
- リフトアップのメリット・デメリットと適したケース
フリードの標準車高とその特徴

ホンダ フリードの標準車高は、一般的なミニバンとして日常使いに適した設計がされています。車高は車種やグレードによって異なりますが、特に重要なのは「最低地上高」と呼ばれる部分です。これは、路面から車体の一番低い部分までの垂直距離を示し、日本の保安基準では9cm以上が求められています。
現行モデル(GB5/6系)のフリードの標準車高(最低地上高)は、FF車で135mm、4WD車で140mmが基本です。また、SUVテイストの「CROSSTAR(クロスター)」モデルでは、FF・4WDともに150mmに設定されています。
これは、段差や坂道での干渉を防ぎつつ、安定した走行性能を確保するためのバランスが考慮された高さです。標準車高は、乗り降りのしやすさや荷物の積載性、悪路走破性、そして走行安定性のバランスが取れているため、幅広いユーザーに支持されています。
この高さは、街乗りからレジャーまで、様々なシーンで安心して利用できるフリードの大きな特徴の一つです。
車高を変える目的とは?ローダウンとリフトアップの基本

車高を変える目的は、大きく分けて二つの方向性があります。一つは車高を下げる「ローダウン」、もう一つは車高を上げる「リフトアップ」です。それぞれに異なる目的と効果があります。
ローダウンの主な目的は、見た目のスタイリッシュさ向上と走行性能の改善です。車高が下がることで重心が低くなり、コーナリング時の安定性が増したり、高速走行でのふらつきが軽減されたりする効果が期待できます。また、フェンダーとタイヤの隙間が少なくなることで、よりスポーティーで引き締まった外観になるため、カスタムの定番とされています。
一方、リフトアップの主な目的は、悪路走破性の向上と個性的でタフな外観の演出です。車高が上がることで、路面とのクリアランスが増し、未舗装路や雪道、段差の多い場所での走行性が高まります。また、視点が高くなることで運転時の視認性が向上する側面もあります。
近年では、SUV人気を受けて、ミニバンでもアウトドア志向のスタイルを求める方から注目を集めています。これらの車高変更は、単なる見た目の変化だけでなく、車の性能や使い勝手にも影響を与えるカスタムです。
ローダウンのメリット・デメリットと適したケース

ローダウンは、フリードの見た目を大きく変え、走行性能にも影響を与えるカスタムです。そのメリットとデメリットを理解し、自分の使用目的に合った選択をすることが大切です。
メリット:
- スタイリッシュな見た目: 車高が下がることで、車全体の重心が低く見え、スポーティーで洗練された印象になります。フェンダーとタイヤの隙間が少なくなることで、より足元が引き締まって見えます。
- 走行安定性の向上: 車両の重心が低くなるため、コーナリング時のロール(車体の傾き)が抑制され、高速走行時の安定性が向上する傾向があります。地面に吸い付くような感覚で運転できます。
- 乗り心地の改善(適切なセッティングの場合): バネレートやダンパーの減衰力を適切に調整することで、余分な揺れを抑え、安定感のある乗り心地を実現できるケースもあります。
デメリット:
- 路面との接触リスク増大: 最低地上高が低くなるため、段差や急な坂道、コンビニエンスストアの出入り口などで路面や縁石に車体の下部を擦ってしまうリスクが高まります。
- 乗り心地の悪化の可能性: 足回りのセッティングによっては、路面の凹凸を拾いやすくなり、突き上げ感が増して乗り心地が悪くなることがあります。特に硬いセッティングにすると顕著です。
- 乗降性や積載性の低下: 地面からの高さが低くなるため、小さなお子様や高齢者の乗り降りがしにくくなる場合があります。また、立体駐車場などで車高制限に引っかかる可能性も出てきます。
適したケース:
ローダウンは、見た目のカスタムを重視し、よりスポーティーな印象にしたい方や、高速道路での安定性を重視する方、そして日常的に悪路を走行する機会が少ない方におすすめです。
リフトアップのメリット・デメリットと適したケース

リフトアップは、フリードにSUVのようなタフな印象を与え、実用性も向上させるカスタムです。こちらも、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。
メリット:
- 悪路走破性の向上: 最低地上高が高くなるため、未舗装路や雪道、急な登坂路などで路面と車体が干渉するリスクが減り、走破性が向上します。アウトドアでの使用が多い場合に特に有効です。
- 視認性の向上: 運転席からの視点が高くなるため、前方や周囲の状況が見渡しやすくなり、運転時の安心感につながります。
- 個性的な外観: 他のフリードとは一線を画す、タフでワイルドなSUVテイストのスタイルを演出できます。アウトドアやキャンプなどの趣味を持つ方に特に人気です。
デメリット:
- 乗り心地の変化: 車高が上がることで、ロール(横揺れ)が大きくなる傾向があり、特にコーナリング時や横風の影響を受けやすくなることがあります。足回りのセッティングによっては、ふわふわとした乗り心地になる可能性もあります。
- 安定性の低下の可能性: 重心が高くなるため、高速走行時や急ブレーキ時などでの安定性が、ローダウン車と比較して劣る場合があります。
- 乗降性の悪化: 地面からの高さが上がるため、小さなお子様や高齢者の乗り降りがしにくくなることがあります。ステップの追加などが必要になる場合もあります。
- 燃費への影響: 車高が上がることで空気抵抗が増え、わずかに燃費が悪化する可能性があります。
適したケース:
リフトアップは、アウトドアやキャンプといったレジャーを頻繁に楽しむ方、未舗装路や積雪路を走行する機会が多い方、そしてフリードにワイルドで個性的な外観を求めたい方におすすめです。
フリードの車高カスタムを成功させるための実践ガイド
- フリードの車高変更方法:ダウンサス、車高調、エアサスを比較
- 車高変更後の乗り心地と走行性能の変化
- 知っておきたい!「フリード 車高」変更と車検・保安基準
- 専門業者に依頼する際のポイントと費用相場
- フリードの車高カスタム事例:スタイリングと実用性の両立
フリードの車高変更方法:ダウンサス、車高調、エアサスを比較
フリードの車高を変更するには、主に「ダウンサス」「車高調」「エアサス」の3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分の目的や予算に合った方法を選びましょう。
種類 | 特徴 | 費用相場(部品+工賃) | 車高調整幅 | 乗り心地 | 車検への影響 |
---|---|---|---|---|---|
ダウンサス | 純正サスと交換するだけの手軽な方法。バネレートが固定されている。 | 3~10万円程度 | 固定(数cmダウン) | 硬めになることが多い | 基準内なら問題なし |
車高調 | ショックアブソーバーとスプリングが一体で、車高や減衰力を調整可能。 | 10~30万円程度 | 広い(数cm~10cm以上) | 調整次第で快適 | 基準内なら問題なし |
エアサス | エアバッグで車高を自由自在に調整できる。コンプレッサーなど追加部品多数。 | 30~80万円以上 | 非常に広い(停車時ゼロも可能) | 非常に快適 | 構造変更申請が必要な場合も |
ダウンサス(ローダウンスプリング)
最も手軽でリーズナブルな方法です。純正のスプリングと交換するだけで、あらかじめ決められた量だけ車高が下がります。費用を抑えたい方や、大幅な車高変更は考えていない方におすすめです。ただし、乗り心地は純正よりも硬めになる傾向があり、車高の微調整はできません。
車高調(フルタップ式・全長調整式)
ショックアブソーバーとスプリングが一体となったパーツで、車高だけでなく減衰力(ショックの硬さ)も調整できるタイプが多いです。ミリ単位での車高調整が可能で、好みに応じた乗り心地のセッティングができます。費用はダウンサスより高くなりますが、本格的なカスタムを目指す方や、走行性能と乗り心地のバランスを重視する方に向いています。リフトアップ用の車高調も存在します。
エアサス(エアサスペンション)
空気の力で車高を自由自在に上下させられるシステムです。走行中でもボタン一つで車高を変えられるのが最大のメリットで、極端なローダウンから、段差を乗り越えるためのリフトアップまで対応できます。しかし、構造が複雑で部品点数が多く、導入費用が非常に高額になることに加え、定期的なメンテナンスも必要です。究極のカスタムを目指す方や、見た目のインパクトを重視する方には最適な選択肢です。
車高変更後の乗り心地と走行性能の変化

車高変更は、見た目だけでなく、フリードの乗り心地や走行性能に大きな影響を与えます。どのような変化が起こるのかを事前に把握しておくことが大切です。
ローダウンの場合:
- 乗り心地: スプリングが短くなったり、バネレートが上がったりすることで、路面の凹凸を拾いやすくなり、突き上げ感が増すことがあります。しかし、減衰力を適切に調整できる車高調であれば、安定感のあるしなやかな乗り心地を実現することも可能です。極端なローダウンは、ストローク量が減り、底突きしやすくなるため、乗り心地の悪化に直結します。
- 走行性能: 重心が低くなることで、ロール(車体の傾き)が減少し、コーナリング性能が向上します。高速走行時の安定性も増し、よりスポーティーな走りを楽しめます。ただし、極端なローダウンはタイヤの接地性が悪化し、かえって危険になるケースもあります。
リフトアップの場合:
- 乗り心地: 車高が上がることで、サスペンションのストローク量が増え、路面の凹凸を吸収しやすくなり、マイルドな乗り心地になることがあります。しかし、ロールセンターが高くなることで、コーナリング時に車体が大きく傾く感覚が増す可能性もあります。
- 走行性能: 最低地上高が増すため、悪路での走破性は向上しますが、重心が高くなることで、高速走行時の安定性や、急ブレーキ時の制動姿勢に影響が出ることがあります。操縦安定性を保つためには、適切なアライメント調整や、場合によってはスタビライザーの強化なども考慮する必要があります。
いずれのケースでも、車高変更後はタイヤの取り付け角度(アライメント)が変化します。これを調整しないと、タイヤの偏摩耗や走行安定性の低下につながるため、必ず専門業者でアライメント調整を実施するようにしましょう。
知っておきたい!「フリード 車高」変更と車検・保安基準

フリードの車高を変更する際には、日本の「道路運送車両の保安基準」に適合しているかどうかが非常に重要です。車検に通らないだけでなく、公道を走行できなくなる可能性もありますので、しっかりと確認しておきましょう。
- 最低地上高の基準: 最も重要なのは最低地上高です。日本の保安基準では、車体の最も低い部分が地上から9cm以上あることが義務付けられています。これは、道路の段差などで車体を損傷しないための基準です。ただし、一部の部品(例:タイヤ、ホイール、エアロパーツの一部)は対象外となる場合があります。
- ライト類の高さ基準: ヘッドライトやフォグランプ、テールランプなども、それぞれ取り付け高さの基準があります。車高を大幅に変更すると、これらの高さが基準から外れてしまう可能性があるため注意が必要です。
- フェンダーとタイヤのクリアランス: タイヤがフェンダーから大きくはみ出したり、逆にフェンダーに接触するほど隙間がなくなったりすると、車検に通らない可能性があります。走行中にタイヤとフェンダーが干渉しないか、十分なクリアランスが確保されているかを確認しましょう。
- 構造等変更検査: 車高を4cm以上変更した場合や、エアサスなどを装着した場合は、「構造等変更検査」の申請が必要になる場合があります。これを怠ると、違法改造とみなされてしまうので、事前に陸運局や専門業者に相談することが大切です。
これらの基準は複雑な場合があるため、DIYでの変更や知識が不確かなままのカスタムは避け、信頼できる専門業者に相談して作業を進めることを強くおすすめします。
専門業者に依頼する際のポイントと費用相場

フリードの車高カスタムは、車の安全性や走行性能に直結する重要な作業です。そのため、専門知識と技術を持つ業者に依頼することが成功の鍵となります。
依頼する際のポイント:
- 実績と経験: フリードや同系統のミニバンの車高カスタム実績が豊富かどうかを確認しましょう。多くの実績がある業者は、車種ごとの特性を理解し、適切なアドバイスや作業が期待できます。
- 専門知識: 車高調やエアサスなどの足回りパーツに関する深い知識はもちろん、車検の保安基準にも精通しているかを確認してください。違法改造にならないよう、適切な情報を提供してくれるかが重要です。
- アフターフォロー: 取り付け後のアライメント調整や、万が一の不具合が発生した際の保証や修理対応について確認しておきましょう。長期的な視点で信頼できる業者を選ぶことが大切です。
- 見積もりの明確さ: 部品代、工賃、アライメント調整費用など、総額の内訳を明確に提示してくれる業者を選びましょう。不明瞭な点があれば、納得いくまで質問することが大切です。
- コミュニケーション: 自分の希望や用途をしっかり聞き取ってくれ、それに合った提案をしてくれるかどうかも重要なポイントです。
費用相場:
車高カスタムの費用は、選ぶパーツの種類や工賃、追加作業の有無によって大きく異なります。
- ダウンサス交換: 部品代が2~5万円、工賃が1~3万円程度で、総額3~8万円程度が目安です。
- 車高調取り付け: 部品代が5~20万円、工賃が3~5万円程度で、総額8~25万円程度が目安です。
- エアサス取り付け: 部品代が20~60万円、工賃が10~20万円程度と高額になり、総額30~80万円以上が必要となることが多いです。
上記費用には、アライメント調整費用(1~2万円程度)が別途必要となる場合が多いので、見積もり時に確認するようにしてください。
フリードの車高カスタム事例:スタイリングと実用性の両立

フリードの車高カスタムは、単なる見た目の変化だけでなく、オーナーのライフスタイルや使用目的に合わせて、スタイリングと実用性の両方を追求できる点が魅力です。いくつかの事例を通じて、その可能性を探ってみましょう。
事例1:適度なローダウンでスタイリッシュに
家族での使用がメインだが、もう少しスタイリッシュにしたいというオーナーには、純正から2~3cm程度の適度なローダウンが人気です。ダウンサスや乗り心地重視の車高調を使用し、最低地上高を確保しつつ、フェンダーとタイヤの隙間を減らすことで、安定感のある見た目と快適な乗り心地を両立させています。普段使いに支障が出にくく、見た目の満足度も高いため、最も一般的なカスタムです。
事例2:リフトアップでアクティブな印象に
キャンプや釣りなどのアウトドアを趣味とするオーナーからは、リフトアップが選ばれることがあります。数cmのリフトアップと、オールテレーンタイヤの組み合わせにより、ミニバンでありながらSUVのようなタフな外観と悪路走破性を獲得しています。視点が高くなり運転しやすくなるという実用的なメリットも享受でき、個性的なフリードに仕上がります。クロスターモデルであれば、より自然なリフトアップスタイルを構築しやすいでしょう。
事例3:エアサスで究極の使い勝手とスタイルを
イベント参加や徹底したドレスアップを追求するオーナーには、エアサスが選ばれるケースがあります。普段は極限までローダウンして「魅せる」スタイルを追求し、必要に応じて車高を上げて走行する、という自由度の高い使い方が可能です。停車時には車高を限界まで下げることで、唯一無二の存在感を放ち、イベントなどでも注目を集めます。費用は高額になりますが、その分、見た目と実用性、そして満足度を最高レベルで両立できるカスタムと言えるでしょう。
これらの事例からもわかるように、フリードの車高カスタムは、オーナーの個性やニーズに合わせて多岐にわたる選択肢があります。どのようなスタイルを目指し、どのような用途で使うのかを明確にすることで、最適なカスタムを見つけることができるでしょう。
総括:フリード 車高カスタムのポイントと注意点
この記事のまとめです。
- フリードの標準車高は、日常使いに適したバランスの取れた高さだ
- 最低地上高9cm以上が日本の保安基準で定められている
- 車高変更には、見た目向上や走行性能改善のローダウンと、悪路走破性向上のリフトアップがある
- ローダウンはスタイリッシュな見た目と走行安定性向上に寄与する
- ローダウンは最低地上高の低下や乗り心地悪化の可能性がある
- リフトアップは悪路走破性や視認性向上、個性的な外観が得られる
- リフトアップは乗り心地や安定性に影響する可能性がある
- 車高変更方法にはダウンサス、車高調、エアサスの3種類がある
- ダウンサスは手軽だが車高調整はできず乗り心地が硬めになりがちだ
- 車高調は車高や減衰力調整が可能で本格的なカスタムに向く
- エアサスは自由な車高調整が可能だが費用が高額でメンテナンスも必要だ
- 車高変更後はアライメント調整が不可欠である
- 車検では最低地上高、ライト高さ、タイヤとフェンダーのクリアランスが重要だ
- 車高4cm以上の変更やエアサス装着は構造等変更検査が必要になる場合がある
- 車高カスタムは実績と専門知識のある業者に依頼するのが賢明である
- 費用相場はダウンサスで数万円、車高調で10万円台、エアサスで数十万円以上かかる